双極性障害とは

  1. 双極性障害(躁うつ病)とは
  2. 双極性障害(躁うつ病)の症状
  3. 双極性障害(躁うつ病)の原因・発症の要因
  4. 双極性障害(躁うつ病)の治療法
  5. 双極性障害(躁うつ病)の再発予防
  6. 双極性障害の主な専門用語

双極性障害(躁うつ病)とは

双極性障害は、「うつ病」と同じく、気分障害と分類されている精神疾患のひとつです。うつ状態だけが起こる「うつ病」と異なり、ほとんど同じうつ状態に加え、対極の躁状態も現れ、それらを繰り返す、慢性の病気です。躁状態の程度によって二つに分類されます。

Ⅰ型 激しい躁状態が見られます。周囲の人に高圧的な態度をとったり、高額の買い物により借金を抱えたり、仕事や家庭に重大な支障をきたすといった社会的な問題が起きやすくなります。Ⅱ型 軽躁状態が見られます。Ⅰ型ほどはっきりとは現れず、はたから見て明らかに気分が高揚しているが、本人も周囲の人もそれほどは困らない程度で見逃されやすい傾向があります。

歴史

 双極性障害は、かつて「躁うつ病」と呼ばれた精神障害で病的な現象としては古くから認識されていました。 紀元前2世紀、カッパドキアのアレタイオスが躁とうつが同じ患者に現れることを記載したことが躁うつ病概念の起源とされています。

精神疾患に関する認識が停滞した中世の後、1850年代にファルレが「うつ病」と「躁病」が交互に起こる状態を「循環精神病」と記述し、バイヤルジェはそれを「重複精神病」として記述しました。そして、19世紀末にクレペリンが、それらをまとめ現代的な「躁うつ病」概念を完成させます。

DSM-Ⅲ-Rで「気分障害」という用語が使われてからは、カテゴリーとしての「躁うつ病」は気分障害へ移行し、その枠組みの中で「双極性障害」と呼ばれるようになります。患者数 厚生労働相によると、日本人の双極性障害を発症する人の割合は、Ⅰ型とⅡ型を合わせて0.7%です。欧米では、2~3%にも及ぶと言われており、一見、日本では双極性障害が少ないようにみえますが、日本では本格的な調査が少なく、はっきりしたことはわかっていません。

双極性障害(躁うつ病)の症状

双極性障害では、最初の病相(うつ状態あるいは躁状態)から、次の病相まで、5年くらいの間隔があります。躁やうつが治まっている期間は何の症状もなく、まったく健常な状態になります。

しかし、この期間に薬を飲まないでいると、ほとんどの場合、繰り返し躁状態やうつ状態が起こります。治療がきちんとなされていないと、病相の間隔はだんだん短くなっていき、しまいには、ラピッドサイクラーと呼ばれる急速交代型(年間に4回以上の病相があること)へ移行し、薬も効きにくくなっていきます。躁状態とうつ状態の症状が同時に起きる「混合状態」になることもあります。

躁状態

躁状態は、主観的には、病的な感覚とは無縁で、とにかく気分が良く前向きな気持ちになり、傍から見れば病的な意気軒昂ですが、本人に自覚がありません。 寝なくても平気、食べなくても平気で、仕事や勉強にエネルギッシュに取り組みますが、ひとつのことに集中出来ないという特徴があります。
また、自尊心の肥大から自分自身を大きく感じる傾向もあります。 その結果、収入に見合わない高額な買い物をしたり、尊大で傲慢な態度で過剰に周囲の人間を攻撃したり、法的な問題を引き起こしたりする場合があります。そして、社会的信用を失ってしまうこともあります。

軽躁状態

軽躁状態は、文字通り経度の躁状態です。躁状態のように周囲に迷惑をかけることはありませんが、いつもより明らかに「ハイ」というふうに見えます。躁状態と軽躁状態に共通して言えることは、多くの場合、本人は自分の変化を自覚できないということです。

≪主な症状≫
  • 以前と違ってハイテンションで、調子が良いと感じられ、怒りっぽくなる
  • アイデアが次々と思い浮かぶ
  • 自分はなんでもできると思う
  • 周囲の人より自分のほうが優れていると感じる
  • 眠りたいと思わず、一晩中活動しても平気
  • 不相応に高額な買い物をする、金づかいが荒くなる
  • 行動的で、落ち着きがない
  • おしゃべりで、とめどなく話し続ける
  • 高圧的な態度をとり、人と衝突することが増える など

うつ状態

双極性障害の人が、具合が悪いと感じ受診に至るのは、うつ状態の時です。
筆舌に尽くしがたい、何とも形容しがたい憂鬱な状態が何日も続く「抑うつ気分」と、全てのことに全く興味がもてなくなり、何をしても楽しいと感じられなくなる「興味・喜びの喪失」の二つが、うつ状態の中核症状です。
これら二つのうち少なくともひとつ症状があり、これらに、早朝覚醒、食欲の減退または亢進、体重の増減、疲れやすい、やる気が出ない、自責感、自殺念慮といった様々なうつ症状のうち、5つ以上が2週間以上毎日出ている状態が、うつ状態です。

≪主な症状≫
  • 今まで楽しめていたことが楽しめない
  • 疲れがとれにくい
  • 食欲の増加・減少や、体重の増加・減少
  • 不安や恐怖の気持ちが強くなる
  • イライラして、気持ちが落ち着かない
  • 死にたい、消えてしまいたいと思うようになる
  • 物事の決断ができなくなる
  • あまり話さなくなる
  • 身だしなみに気をつかわず、だらしなくなる など

双極性障害(躁うつ病)の原因・発症の要因

双極性障害がなぜ起こるかは、まだ解明されていませんが、これまでの科学的な研究から、「遺伝子」「生育歴」「環境」「脳」「性格」「体質」などが複雑に関係しているのではないかと考えられます。

原因と考えられる中で、もっとも深く関与していると思われるのが遺伝子です。双極性障害は、同じ家系に発症する確率が高いことから、何らかの遺伝子が発症にかかわっているのではないかと指摘されていて、ストレスが原因となるような「こころ」の病気ではありません

双極性障害(躁うつ病)の治療法

双極性障害は、こころの悩みではありませんので、精神療法やカウンセリングだけでは根本的な治療をすることはできません。また、治療が難しく、長引きやすい病気と言われていますので、治ったと自己判断せず、家族など周囲の人の協力の下、医師の指示に従い薬物療法や精神療法を続けることが大切です。

薬物療法

双極性障害の治療の中心となるのは薬物治療で、気分安定薬と呼ばれる薬が有効です

≪主な気分安定薬≫

気分の波を安定させる薬です。躁状態の改善や再発予防効果が期待できます。薬剤によっては、うつ状態の改善や自殺予防の効果も期待できます。

リチウムバルプロ酸カルバマゼピンラモトリギン など

≪主な抗精神病薬≫

不安やイライラを抑え、気持ちを穏やかにする薬です。躁状態の改善や再発予防効果のほか、薬剤によってはうつ状態の改善が期待できます。

オランザピンアリピプラゾールクエチアピンリスペリドン など

精神科の治療は、副作用との戦いです。薬には副作用があることを前提として、自分の病気のコントロールのために、どのように副作用と折り合いをつけながら治療していくかが大切です。

精神療法(心理療法)

病気をしっかり理解し、その病気に対するこころの反応に目を配りつつ、治療がうまくいくように援助していく、ある種の精神療法が必要です。こういった精神療法を心理教育といいます。
病気の性質や薬の作用と副作用を理解し、再発のしるしは何なのかを自分自身で把握することを目指します。また、規則正しい生活をおくることも、双極性障害の治療にはよい効果があります。

双極性障害(躁うつ病)の再発予防

まず、双極性障害は、完治はありませんが、寛解はあります。

双極性障害は、病相が治っても、そこで治療をやめてしまうと再発をしてしまい、社会的ダメージが大きくなります。また、躁状態の人の多くは、病気の自覚がないため、病気が治ったと勘違いをしてしまう場合もあります。そのため、自己判断で治療を中断せずに、長期にわたる再発予防療法が必要になります。再発の予防に一番必要なのは、とにかく薬を飲み続けることです。薬の副作用が強い場合は、医師に相談して対応してもらいましょう。また、適度な運動したり、徹夜を避けたりして規則正しい生活も効果的です。

自分自身の再発の予兆を把握しておき、異変を感じたらすぐに受診しましょう。

主な再発の兆候

≪うつ状態≫
  • 今まで楽しめていたことが楽しめない
  • 疲れがとれにくい
  • 考えがまとまらない
  • 不安や恐怖の気持ちが強くなる
  • イライラして、気持ちが落ち着かない
  • あまり話さなくなる
  • 身だしなみに気をつかわず、だらしなくなる など
≪躁状態≫
  • アイデアが次々と思い浮かぶ
  • 自分はなんでもできると思う
  • 周囲の人より自分のほうが優れていると感じる
  • 眠りたいと思わず、一晩中活動しても平気
  • 金づかいが荒くなる
  • 行動的で、落ち着きがない
  • おしゃべりで、とめどなく話し続ける
  • 高圧的な態度をとり、人と衝突することが増える など

双極性障害の主な専門用語

ラピッドサイクラー

双極性障害には、ラピッドサイクルと呼ばれる症状がでる方もいます。
病相を頻繁に繰り返し、1年に4回以上の躁状態、あるいはうつ状態を繰り返す方をラッピドサイクラーと呼びます。
女性に多い、双極性障害Ⅱ型に多いと言われていて、うつから始まり、うつ状態から躁状態へ急激に変わることもあります。
また、抗うつ薬の服用が原因とも言われており、双極性障害の10~20%位いると言われています。
予防策としては、早期段階で双極性障害であることを見抜き、気分安定剤での治療をすることと言われています。

混合状態

通常、躁状態とうつ状態を繰り返すものですが、混合状態とは、文字通り、躁状態とうつ状態が混ざったものと認識して下さい。
私の経験上、混合状態が最も危険な状態だと思っています。
混合状態でよくあるエピソードとしては、うつ状態で、「消えてしまいたい」「死んでしまいたい」という感情の中、躁状態で起きる活発な行動力が働いてしまうことです。一言で言うと、行動力のあるうつ状態に陥ってしまうんです。うつ状態以上に自殺の危険度は高くなります。

こうなってしまったら、速やかに主治医に相談して頓服など適切な治療をうけた方がいいでしょう

寛解

ご存知の通り、双極性障害は、完治はなく、寛解状態があります。(現時点での医学での話です)
寛解状態とは、症状が出ない安定している状態の事です。
私たちが目指しているのはこの寛解ということになります。

しかし、完治ではなくゴールでもなく、これを維持するというものなので、絶対に自己判断で断薬はしないで下さい。

私も治療開始後に、寛解状態を迎えたことがありましたが、完全ではなかったようで、すぐに再発してしまいました。
今もクローズで働いていますが、この2年で4回転職してます。
経済的事情もあり無理に働いているのもありますが、寛解しても、規則正しい生活や断酒等、今までしてきた努力をやめてしまうとやっぱり元に戻ってしまうんです。
少しでも多くの方が寛解状態になれるように祈ってます。

タイトルとURLをコピーしました